2024/01/24
アセスメントシートによる外在化の重要性~認知行動療法ではストレスのあった出来事を書き出してみることを大切にしています~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
本日は認知行動療法における外在化の重要性として、アセスメントシートに書き出してみることの大切さについてお話しします。
傾聴を主にしているカウンセリングでは、クライエントさんはカウンセラーにどんな悩みごとや相談があるのか、話すことで伝えます。カウンセラーはまず、そのお話をじっくり伺って、いくつか質問などしながら、正しく受け止め伝え返すことを傾聴といいます。
しかし、認知行動療法では、初回のカウンセリングで、まずお悩みや相談したいことをお話しいただき、カウンセラーはじっくり傾聴しますが、その後にアセスメントシートとよばれる用紙にそのストレスがかかった出来事を書き出す宿題を出します。
紙に書いて自分の言葉でどんな風に表現するのか、見える形にすることを「外在化」と呼び、認知行動療法ではこの作業をとても大切にしています。
悩みや相談したいことを口で話すだけでは、言葉は通り過ぎていってしまいますが、紙に書くとそのことをどんな言葉で表現したのか、客観的に見て検証することができるので、時間の経過で変化する考えや気持ちを振り返ることもできますし、何らかの気づきも得られやすくなります。
当カウンセリングルームでは次回の予約を承る度に、アセスメントシートを書いてくるという宿題が出されますし、セッションでは書いていらしたアセスメントシートを基に詳しいお話を伺いつつ、問題解決の糸口を模索していきます。
そして、アセスメントシートをファイルに溜めていくことで、2~3か月後の心情や考え方の変化が分かるようにし、時折、セッション内でカウンセラーとクライエントさんで振り返り、認知と行動にどのような違いが出て来たのか検討したりもします。
「外在化」はその文字の通り、、外に出して見える化するという意味ですが、話すだけの外在化は振り返ろうと思っても思い出せなかったり、あいまいになったり、微妙に表現が違ったりしてしまいますが、書き残せば、そのまま記録されるので、正確に変化を見てとることができます。
悩みごとやストレスのかかった出来事は、内にため込んでいてはマイナスのスパイラルに陥ってしまいます。
外に出してしまうことで、まずは少しすっきりすると思いますし、アセスメントシートに書き出すという形で外に出すことで、カウンセラーとも共有でき、ご自身も客観視できるので、冷静な判断が可能になるのです。
認知行動療法には問題解決の効果が高いと言われるゆえんは、このアセスメントシートに外在化して検討する点にあるといっても過言ではないでしょう。
心理カウンセリングを受けようとお考えになっているなら、そのカウンセリングルームがどんな心理療法でカウンセリングしているのか、リサーチなさってから受けられることをオススメします。
2024/01/17
子どもは親を選べない~自分の親の生活環境や性格態度のせいで、こんな風になってしまったと嘆く子どもをどう救うのか~
こんばんは。急に寒くなって、週末は雪が降るかもしれないそうですが、いかがお過ごしですか。
さて、本日は「子どもは親を選べない」というタイトルで、親の接し方や生活環境などの影響で、大人になっても苦しんでいる人を救うことができるかというお話です。
最近、カウンセリングルームに割合よく相談にいらっしゃるのが、親のせいで苦しんでいる子世代の方です。
子どもの多感な時期に、その子どもの人格形成に少なからず影響を及ぼすのが、親の関わり方だと思いますが、そこに親の生活のあり方や、生活信条、例えば宗教などが絡んでくると、子世代が被る影響は大人になった何十年後にも及んでしまいます。
昨今、問題になっている宗教二世として生を受けた子どもは、物心ついた時にはその宗教の倫理に基づいての生活を強要されてしまいますので、当然、ある年齢になるとそこに懐疑的な思いが芽生える子どももいるわけです。
また、自分の子どもを自分の所有物として扱うような親の元に生まれた子どもも、同様に思春期前後にはその絶対的支配下でおびえながら暮らしている有り様が、他の家とは違うことに気づくことになります。
しかし、その明らかにおかしい状況下にあっても、簡単にはそこから抜け出せないのが、宗教二世であり、精神的肉体的虐待が横行する家庭に生まれた子ども達です。
当カウンセリングルームにもすでに成人して親とは別々に暮らしているにも関わらず、未だにそうした生活環境の中で植えつけられた悪しき観念や見捨てられ不安などにさいなまれている方が相談にいらっしゃいます。
おひとりおひとりのケース・バイ・ケースで、何が苦しみの根源かを探り、癒し、やがて手放すセッションを行っていますが、本当にそれは根深く罪深いものだと感じています。
けれど、きっとその呪詛のような考えや囚われているものから解放され、ご自分らしくあるあり方を見つけられると思いますので、どうか、ご自身の育った環境や親御さんのせいで苦しいと思っていらっしゃる方は、一度、ご相談にいらしてください。
認知行動療法やスキーマ療法はあなたを救う道しるべになるかもしれません。
2024/01/10
子離れ上手な母になろう~親子関係は年と共に変化してくものなのに、それに気づかずいつの間にか重い母になっていませんか~
こんにちは。年が明けて10日、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
カウンセリングルームも4日から始動しています。
当カウンセリングルームでは、半年以上通っていらっしゃるクライエントさんには、年明け最初のセッションの時に希望なされば『エゴグラム』を実施しています。
『エゴグラム」とは簡単に言えば性格テストのようなもので、50問の問いに○×で答えていただき、集計するとどんな性格か凡そ分かるというテストです。
毎年、『エゴグラム』を受けた方は「とてもよく当たっている」とおっしゃるので、瞬時に判断して即答した答えは案外、的を得た結果を導き出すようです。
その『エゴグラム』の結果を踏まえて、お正月休みが明け、気づいたことを少しお話しようと思います。
新年を迎え、年が新たまると、少し前は「ひとつ歳をとった」と言いましたが、一年の始めはひとつの大きな区切りとしてご自分自身のあり方や親子関係に思いを馳せる方は多いのではないでしょうか。
いつもは独立していて別々に暮らしている親子も帰省したり、お正月ぐらいは一緒に過ごす方もいれば、すでに成人している子世代の方で親御さんと同居している方も、こうした長めのお休みや年の節目にはゆっくり水入らずの時間を過ごされたというケースも多いと思われます。
そうした時、親と子の意識の違いといいますか、親が子に対して寄せる思いに対し、子が親に寄せる思いには温度差があるのではと思うのです。
親はいつまでも我が子は我が子なので、可愛いし、心配だし、気にかけている存在なのに、子どもの方はすっかり成人していて自分の家庭なり自分の世界なりをもって生活していて、そちらに軸足が移っているので、親のそうした思いが重たくウザく感じてしまうようです。
とりわけ、そうした関係に陥りやすいのは母と娘の関係のようで、過保護・過干渉の傾向の強い母親は、いつまでたっても子離れできず、娘に疎まれてしまいがちです。
子世代は毎年確実に成長し、立派な成人になっていきます。1月8日の成人式を迎えた我が子の晴れ姿を見ることができたお母さんは、それを機にその後の母娘関係を少しずつ変化させ、距離の取り方を工夫してください。
娘から「重い母」とか「毒親」などという汚名を着せられないよう、親子関係をスマートにシフトさせられるといいですね。
2024/01/04
『一年の計は元旦にあり』~年の始めに「なりたい自分」を思い描くことはとても大切なことだと思います~
明けましておめでとうございます。
元旦から能登半島を中心に大きな地震があったり、津波が来たり、2日には大きな飛行機炎上事故が起きたりと、日本の2024年は何かと不穏な始まりでしたね。
皆さま、いかがお過ごしでしたか。
そろそろ今日か明日あたりからお仕事が平常通りに始まるという方も少なくないでしょう。
日本には『一年の計は元旦にあり』という言葉があるように、一年の始まりは「心機一転、今年こそは何々を始めよう」とか「年の始めに初詣をして、一年の運だめしをする」など、年初がひとつの大きな節目と考える文化が根付いています。
受験や就職・転職が控えている方もいるでしょうし、結婚や出産などのライフイベントを予定している方もいるでしょう。そうした大きな出来事のあるなしに関わらず、年の始めのようなタイミングに、この一年をどう過ごしたいのか、自分がどうありたいのかをイメージすることはとても大切なことだと思います。
『人はなりたい自分になる』という考えに基づいて、今、何が足りないのか、何に努力しなければならないのか、何に感謝し、大切にすべきなのかなど、一度、立ち止まって、言葉にしてみると、ものごとが何でも当たり前にあるわけではないという気づきと共に、ご自分の行動の方向性が見えてくるのではないでしょうか。
忙しい日常が始まってしまうと、なかなかゆっくり今の自分を見つめ直したり、少し先の自分に思いを馳せたりする余裕がなくなってしまうものです。
お正月休みやお正月気分が抜けないくらいの時に「2024年の自分」の年間計画を立てて、今日やるべきこと、今月達成したいことを思い描いておくと、それがたとえ出来なかったり、叶わなかったりしても、理由や原因などが分かりやすくなり、無駄に落ち込んだり、人に八つ当たりせずとも自分を立て直すことができるかもしれません。
『なりたい自分』を見える化して、一日一日を大切に丁寧に生きる、そんな年にしませんか。
認知行動療法はそんなご自分を見える化する際にもとても有効です。
認知行動療法を受けてみたいと思われる方はいつでもご連絡ください。
お待ちしております。
2023/12/26
自分で決めることの大切さ~ものごとを決める時、人の意見に左右されないで自分で決めると自己肯定感が上がります~
こんにちは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
いよいよ「もういくつ寝るとお正月~」の歌が聞こえてくる年末になりました。
今年は暖冬のせいか、関東地方は割合、暖かですね。
さて、皆さんはこの一年はどんな一年でしたか?
私はとにかく暑い時期が長かったせいか、まずはとっても短かかったと感じています。(歳のせい?)
暑いというだけでヤル気をそがれるようなことも多かったのですが、その間、もう少し涼しくなったら、あれもしようこれもしようと計画を立て、結果的には達成できた年でもありました。
ものごとを計画し、実行するためには、大小たくさんの決めなければならないことがありますよね。
生きていれば楽しいことばかりではないので、時には思いがけない困難に見舞われたり、問題が勃発することもあるでしょう。
そんな時、人は次々と解決に向け、あれこれ決断を迫られることになりますが、あなたはどうなさいますか?
周囲の人の意見を聴いて、それに従うタイプですか?
いろいろ聞いたとしても、自分の意見をしっかり持って実行するタイプですか?
それとも自分ひとりでよく考えて、結論を出すタイプですか?
時と場合によって異なると思いますが、もし、自分の身に起きた出来事で、自分で何とか解決しなければならない時は、最終的には「自分で決める」ということがとても大切です。
誰かに言われたからとか、一般的に~らしいとか、自分の意見に自信がないからなどの理由で、人の意見に流されたり、人任せにしていると、後に思惑と違った時や、残念な結果になった時、後悔することになりますよ。
たとえ、それがどんな結果になったとしても、自分で出した答えや、自分で決めたり選択したことに従って行動したのであれば、納得率が上がりますので、自己肯定感も上げることができるのです。
人生は大なり小なり選択の連続です。
その時、ひとりで突っ走るのはよくありませんが、最終的には「自分で決めることが大切」と覚えていててください。
もうすぐ2024年の始まりです。
新しい年を、どうか自信をもって、前向きに過ごされますように‼
認知行動療法で答えを導き出したいとお考えでしたら、いつでもご相談にのります。