2023/12/06
「重要な他者」という概念とは ~自分を取り囲む人たちとの関わり方を、自分基準の大切さで測って変えてみませんか~
おはようございます。
師走に入って、何となく気ぜわしくなってまいりましたね。
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
本日は「重要な他者」という耳慣れない言葉をキーワードに、周囲の人との関係性についてお話しします。
心理学では自分を真ん中にして徐々に外に拡がる同心円をいくつか書いて、自分に一番近い円の中に入る人を「重要な他者」と呼んでいます。
ある人物を設定して、まず「重要な他者」、次の円が①、更に外の円が②、その外の円が③というグループだとして、その方はどこのグループに属しているか考えてみます。
「重要な他者」に位置づけられる人は、もちろん、あなたにとって最も大切な人たちということになります。
結婚していれば夫や妻、子ども、シングルなら恋人やパートナーでしょうか。親御さんかもしれませんし、親友かもしれませんね。
では、①の組はいかがでしょう。兄弟や姉妹、そこにお友達のAさん、Bさんが入るとお感じですか。
一緒にいる時間が長いからといって、会社の同僚や上司がこのあたりに入るとお考えの方は少ないようです。
これらはグループ分けはあなたの肌感覚で大切な順に決めていけばいいのです。
そうやってご自分を中心に人の配置図が決まったとして…。
「重要な他者」とか①の組に属している人と、もし、ギクシャクしていたり、トラブルを抱えているとしたら、それは何とか改善したいところですよね。
けれど、もし、その方が②とか③で重要度が低いとお考えなら、物理的、かつ、心理的な距離をとることが望ましいでしょう。
このように当カウンセリングルームでは、人間j関係でお悩みの方にはセッション中に必ず「重要な他者」の説明を申し上げています。
ご自分を取り囲む方を、そうやって(失礼な言い方ですが)仕分けてみることで、客観性をもつことができるのです。
人間関係の悪循環の渦に巻き込まれてしまわないことが最も大切なことだと思います。
2023/11/28
会社の中の苦手な人~職場の中の人間関係に悩むと、あなたの仕事に対するモチベーションまで下げてしまいますよね~
おはようございます。
毎日の寒暖差が激しくて、ついていくのが大変ですね。体調はいかがですか?
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
さて、本日は「職場の人間関係について」のお話です。
会社で仕事をしている人は、いろいろな人間関係の中で生きています。
自分にとっての上司、同僚、部下といった立場に差がある社内の人間関係もありますし、お客さんと自分とか、仕事関係の別の会社の人間関係など、そこには様々な社会的立場の違いがありますから、その中で円滑に事を進めるために、大人のコミュニケーションをとらなければなりませんね。
世の中には本当にいろいろな考え方、いろいろなタイプの方がいますので、気の合う人も苦手意識が出てしまう人もいるのは当然です。
ご自分の立場をわきまえた上でそんな苦手な人とどうやって一緒に仕事をしたり、意思疎通を測ったり、対応すればいいのでしょう。
仕事上の人間関係は、家族や友人と違って、フォーマルな関係です。上下関係もありますし、いい加減にあしらうといったことも許されません。
しかも、パワハラ、モラハラ、セクハラなど、世にいうハラスメントによるストレスを感じていいる方も多いのではないでしょうか。
そんな時の距離感や心の持ちようは、あなたの仕事へのモチベーションをも左右してしまいます。
逃げられない立場での人間関係に苦しんでいる方は、いっそ会社を辞めてしまおうかと考える人も多いと思われますが、ご自分にとっての仕事とは何か、やりがいや生きがいはどこにあるのかなど、少しご自分にフォーカスした大きなものの見方をしながら、今、抱えている人間関係の悩みをどう改善すればいいのか考えてみませんか。
カウンセリングで何かお役に立てることがあると思います。
どんなことでもお気軽にご相談ください。
2023/11/21
毒親は子どもを歪める~自分が毒親だと思っている毒親はいない~
こんにちは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
今日は小春日和で気持ちのいいお天気ですね。
さて、本日は「毒親」についてのお話です。
子どもが登校拒否になったり、人間関係がうまく築けなくて友達ができないとか、いじめに逢っている、もしくはいじめる側にいるというような方のお話を伺うと、たいてい親御さん、特にお母さんに問題があるのでは思うケースが多いように感じます。
大人になってからでも、生きづらさを感じていたり、人間関係で問題を起こしたり、逆に人付き合いが苦手で人と接触しないように孤立して生きているといった方にも、いわゆる毒親に育てられたのではと思うケースがあります。
では、そうした世間で言うところの「毒親」とはどんな親を指すのでしょう。
・自分の子どもを所有物かのように扱い、思い通りにしようとする。
・常に上から目線で指示・命令する。
・子どもの進路や友人関係などをコントロールしようとし、レールを敷く。
・本人の意志の確認や好みを聴くことは無く、本人を尊重しない
・こうあるべきという考えに基づき、マインドコントロールしようとする。
・人前でなじったり、恥をかかせたりすることがある。
と、こんな感じでしょうか。
問題はこうした親御さんには自分が子どもにとって毒親であるという自覚がないことです。
ある種、信念のような確固たる歪んだ価値観で、子どもに対峙しているので、子どもにとっては重く苦しく逃れようのない親子関係になってしまいます。
それでも、子どもは親の期待に応えようとしますし、心配かけまいと我慢したり頑張ったりするので、それが登校拒否や引きこもり、いじめやいじめられという形になってしまうのでしょう。
毒親をもってしまった人も、ご自身が毒親だと気づいた人も、いずれも認知の歪みを修正して、生きやすさや良好な人間関係や家族を手に入れるためにカウンセリングが必要です。
相手を恨んで相手を変えようというのではなく、自分が変わるためにどんな風に考え方やものの捉え方を変えたらいいのか学ぶことが大切です。
認知行動療法やスキーマ療法はそうした学びのお手伝いをする心理療法です。
もし、ご自身が「毒親」という言葉に思い当たるのでしたら、是非、一度ご相談ください。
お待ちしております。
2023/11/13
心の柔軟さのお話~個人差もありますが、人は年と共に心のしなやかさを失う傾向があるようです~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
昨日から急に寒くなり、夕べは羽毛布団を引っ張り出してしまいました。
秋から一気に冬が来てしまったようですね。
さて、本日は「心の柔軟さ」というタイトルでお話ししてみようと思います。
人間は歳を重ねると自分の性格の長所も短所もじっくり考えなくなるようです。
就活で履歴書を書いたり、異性と恋愛したり結婚したりというあたりの年齢の頃は、人と折り合いをつけたり、社会の状況に合わせたりする必要があるせいか、ご自分の長所短所も理解した上で、かなり柔軟に対応できていたことが、年を追うごとに出来なくなってくるのが人の常です。
当カウンセリングルームのお悩み内容も、30代40代50代と年齢が上がるにつれ「相手と自分は考えが合わない」「相手を変えることはできないものか」といった感じになって、決して、自分がまずは変わらなければという発想にはならないように見受けられます。
でも、残念なことに相手を強引に変えることはできないのです。そこには変えようと思っても莫大なエネルギーが要りますし、大抵は変えられずに徒労に終わることでしょう。
認知行動療法では毎回、アセスメントシートという用紙が宿題に出され、ご自分にストレスのかかった出来事を少し分析的に書かなければなりません。それを書き進め、溜めていくにしたがって、徐々にかたくなに同じ反応をしていたものが、ある時、気づきを得て、少し変化し、結果として相手を変えることができ、関係が改善されたということが起こり得ます。
ご自分が変わらない限り、事態は堂々巡りです。
どのように変わったらいいのか決めるのも実行するのもご自分自身です。
話は変わりますが、あなたはご自分の長所と短所を、即座に5つずつ挙げることはできますか。
訊いてみると長所ばかり5つ挙げられても短所はひとつふたつの人もいれば、逆に短所だけ5つさっさと言えて、長所がよくわからないなんていう人もいます。むしろ、日本人は後者のタイプが多いように思います。
でも、長ずれば短所も長所と言えますし、その反対のこともあるのです。
例えば、頑固で優柔不断なところが短所と思っている人も長ずれば、慎重でまじめで一生懸命取り組む人と言えるでしょう。
納得できないことには行動が起こせないし、すぐ嫌気がさすのは短所と捉えることもできますが、納得すればとことん頑張れるという風に考えると長所ということになりますね。
そんな具合に、自分はこういう人間だからと開き直ったりせずに、短所も長所になるよう柔軟に考えてみたり、自分はもうこういう風にしかできないなどとかたくなにならず、別の見方もできるかもしれないと発想の転換をしてみてはいかがでしょう。
年と共に血管が固くなるように、心や思考も硬くならないよう、柔らかさとしなやかさを持ち続けられたらいいですね。
2023/11/08
アダルトチルドレンとはどういう人のことをいうのか~ご自分がACかもとおっしゃる方のために~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
最近はカウンセリングをご希望なさる前にご自分でいろいろ調べて、「私はアダルトチルドレンかもしれないんですが…」とか「アダルトチルドレンだと思うので、スキーム療法をしていただけますか」のようにおっしゃる方が増えてきました。
なので、本日はアダルトチルドレンについて、少しお話しいたします。
ご自身は長いことご自分の生きづらさや親御さんとの葛藤を抱えていて、ネット等で調べた結果、自分はAC(アダルトチルドレン)かもしれないと思われるようですが、確かにアダルトチルドレンと思われる方の生育歴には、親御さんや幼い頃の養育者との関係に問題があったと考えられます。
アダルトチルドレンとは、ご自分が安全な場所として機能しない家族の中で育ち、言葉による暴力や虐待、性被害などを受けたことが影響して、大人になっても様々な人間関係の問題や生きづらさを感じている人のことを指すと定義されています。
日本語に直訳すると「おとなこども」みたいになるので、何のことかわかりづらいですが、そのAC(アダルトチルドレン)の心の中にいる幼い頃の自分(インナーチャイルド)はその成育歴のせいで、大人になった今でも泣いていたり傷ついていて、決して癒されることなく空虚な気持ちやいつか大切な人に見捨てられるのではというような不安(見捨てられ不安)を抱えています。
日本ではアダルトチルドレンという言葉が、少し独り歩きしているようなところがあり、時折、雑誌やテレビの情報番組などで見聞きすることがあります。しかし、自分はそうかもしれないと思っても、実際、どうしたらそうでなくなれるのか、どこに行ったらインナーチャイルドを癒すことが出来るのか、全く分からないというのが現状だと思います。
「アダルト・チルドレン 癒しのワークブック」西尾和美著といったAC関連の書籍やワークブックなども出ていますが、なかなかひとりでワークブックを買って、癒されたいと思ってもうまくいかないのではないでしょうか。まずは誰かに自分の話を聴いてほしい、自分の辛さを分かってほしいと思うのが正直なところだと思いますので、それにはだれか信用できるカウンセラーや臨床心理士などに悩みを相談なさるのがいいかもしれませんね。
当カウンセリングルームは”認知行動療法”を主軸にカウンセリングを行っていますが、”空椅子の技法”を用いてインナーチャイルドに会いにいったり、”スキーマ療法”で成育歴まで遡ってご自分を見つめ直し、再出発するといったセッションも行っています。
空椅子の技法やスキーマ療法はカウンセラーとの信頼関係がとても重要ですので、いきなりは行いませんが、まずはじっくりあなたのお話を伺い、認知行動療法をやってみたいという方には認知行動療法のご説明をいたします。
とにかくひとりで抱え込んでいると、思考はマイナスに振れがちになりますので、少しの勇気を出してカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
ご興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
お待ちしております。