2024/03/17
セルフ認知行動療法とは?ネガティブ思考をやめてストレスを減らす方法をご紹介
「認知行動療法」は、日常生活における認知への働きかけをおこない物事の捉え方や見方にアプローチして、ストレスや心の負担を軽減する治療法です。
今回は、認知行動療法とはどのようなものか解説するとともに、自分だけでおこなう「セルフ認知行動療法」の方法についてご紹介します。誰でも簡単に始められるものなので、ぜひ気軽に取り組んでみてください。
認知行動療法って?
「認知」とは、物事に対する個人の捉え方・受け取り方のことです。認知には人それぞれ癖があり少しずつ違っているので、同じ物事に対しても異なる見方・考え方が生まれるのです。
認知にゆがみやズレがあると、物事を必要以上にネガティブに捉えたり、大きなストレスを感じたりしてしまうことがあります。偏った認知に働きかけてズレを修正し、ストレスを感じやすい心を楽にする心理療法が「認知行動療法」です。
認知行動療法は、心理に関する専門知識をもつ医師やカウンセラーとのカウンセリングを通じておこなうのが一般的です。しかしながら、認知行動療法の一部の手法は「セルフ認知行動療法」として自分だけで取り組むこともできます。
「認知のゆがみ」とは
たとえば、街中で偶然知り合いの姿を見つけたとします。自分が挨拶をしたにもかかわらず、相手が無反応で通り過ぎていってしまったらどう感じるでしょうか?
認知が正常な状態であれば、「声が届かず気づかなかったのかな」と感じるでしょう。しかし、認知にゆがみがある状態だと「挨拶を無視するなんて失礼な人だ」、「相手に嫌われているから気づかないふりをされたのかも」といったネガティブな考えが浮かんできます。
このような、認知が呼び出す瞬間的なイメージのことを「自動思考」といいます。”相手に気づかれなかった”という事実以上にネガティブなイメージがとっさに呼び出される場合は、自動思考と現実にズレが生じている状態であり、「認知のゆがみ」にもつながっているのです。
認知行動療法によって、認知のゆがみを修正して必要以上にネガティブなイメージが生まれるのを防ぎ、ストレス・心の負担を軽減させることができます。
認知行動療法で得られる効果
認知行動療法では、以下のような効果が期待できます。
<認知行動療法で得られる効果>
・物事を冷静に、客観的に捉えられるようになる
・ポジティブに考えられるようになる
・日常生活のなかで感じるストレスを軽減できる
・さまざまな精神疾患の再発を予防できる
物事を冷静に、客観的に捉えられるようになる
認知行動療法によって認知のゆがみを修正できれば、物事を必要以上にネガティブに捉えてしまうことがなくなります。目の前にある事実のみを冷静かつ客観的に捉え、余計な感情に振り回されることなく過ごせるようになるでしょう。
「あの人に嫌われているかも」、「自分の発言・行動が変だと思われていないだろうか」といったようなネガティブなイメージにとらわれて、日々の生活に悪影響をおよぼしてしまっている方には認知行動療法が大きな効果をもたらします。
ポジティブに考えられるようになる
認知のゆがみを修正し、瞬間的にネガティブなイメージが浮かんでしまう状態を脱することで、次第にあらゆるテーマをポジティブに考えられるようになります。失敗を恐れて消極的になってしまいがちな方も、勇気をもって一歩を踏み出しやすくなるでしょう。
日常生活のなかで感じるストレスを軽減できる
自動思考でネガティブなイメージが浮かぶ機会を減らすことによって、日常的に感じているストレスを軽減させることができます。心理的な負担が減って過ごしやすくなるだけでなく、認知のゆがみが大きくかかわる睡眠障害や摂食障害、社交不安障害といった精神疾患の予防・改善にもつながります。
さまざまな精神疾患の再発を防止できる
精神疾患のなかには、一度症状が治まってもふとしたことがきっかけで再発してしまうものが数多くあります。認知のゆがみによるストレスや心理的負担が、疾患の再発のきっかけになる可能性がおおいにあるのです。
薬物療法のみで精神疾患の完治・寛解を目指すと、疾患の一因である認知のゆがみが放置されてしまい、薬を飲むのをやめた途端にふたたび症状があらわれることが少なくありません。認知行動療法は、効果を実感できるまで根気よく治療に向き合う必要がありますが、疾患の原因の根本にアプローチするため回復後の再発率が低いというメリットがあります。
自力でおこなう「セルフ認知行動療法」のやり方
認知行動療法は医師やカウンセラーと一緒におこなうのが一般的ですが、自分だけで実践することもできます。現在病院にかかっている方は必ず医師と相談したうえで、これからご紹介する「セルフ認知行動療法」に取り組んでみてください。
自動思考を記録して客観的に見返す
「コラム法」あるいは「認知再構成法」と呼ばれる、自分の自動思考を記録して見返すことによって認知のゆがみ・自動思考のズレを自己認識していく方法です。
どんな事実に対してどんなイメージが思い浮かんだのか、そう思った理由は何かをありのままにメモに記録しておき、感情が落ち着いてからメモを見返します。自分の自動思考が事実と矛盾していないか、別の捉え方はできないか、と時間をおいて客観的に考えてみると、自分の考え方の癖や傾向を知るとともに思考の幅を広げることができるのです。
コラム法(認知再構成法)は、ついネガティブに物事を捉えてしまう癖を直したい方におすすめです。日常生活のなかで不安を感じたときや、気分が落ち込んでしまっているときなどに、自分の素直な気持ちを記録することを意識してみてください。
楽しい、わくわくする気持ちになれる行動を増やす
人間の思考は行動と強く結びついています。気分が盛り上がっているときには、友人と出かけたくなったり、新しいことに挑戦してみたくなったりするものです。反対に気分が落ち込んでいるときには、一人でゆっくり過ごしたい、家から出たくないと考えることが多いでしょう。
さまざまな精神疾患の再発を防止できる
精神疾患のなかには、一度症状が治まってもふとしたことがきっかけで再発してしまうものが数多くあります。認知のゆがみによるストレスや心理的負担が、疾患の再発のきっかけになる可能性がおおいにあるのです。
薬物療法のみで精神疾患の完治・寛解を目指すと、疾患の一因である認知のゆがみが放置されてしまい、薬を飲むのをやめた途端にふたたび症状があらわれることが少なくありません。認知行動療法は、効果を実感できるまで根気よく治療に向き合う必要がありますが、疾患の原因の根本にアプローチするため回復後の再発率が低いというメリットがあります。
自力でおこなう「セルフ認知行動療法」のやり方
認知行動療法は医師やカウンセラーと一緒におこなうのが一般的ですが、自分だけで実践することもできます。現在病院にかかっている方は必ず医師と相談したうえで、これからご紹介する「セルフ認知行動療法」に取り組んでみてください。
自動思考を記録して客観的に見返す
「コラム法」あるいは「認知再構成法」と呼ばれる、自分の自動思考を記録して見返すことによって認知のゆがみ・自動思考のズレを自己認識していく方法です。
どんな事実に対してどんなイメージが思い浮かんだのか、そう思った理由は何かをありのままにメモに記録しておき、感情が落ち着いてからメモを見返します。自分の自動思考が事実と矛盾していないか、別の捉え方はできないか、と時間をおいて客観的に考えてみると、自分の考え方の癖や傾向を知るとともに思考の幅を広げることができるのです。
コラム法(認知再構成法)は、ついネガティブに物事を捉えてしまう癖を直したい方におすすめです。日常生活のなかで不安を感じたときや、気分が落ち込んでしまっているときなどに、自分の素直な気持ちを記録することを意識してみてください。
楽しい、わくわくする気持ちになれる行動を増やす
人間の思考は行動と強く結びついています。気分が盛り上がっているときには、友人と出かけたくなったり、新しいことに挑戦してみたくなったりするものです。反対に気分が落ち込んでいるときには、一人でゆっくり過ごしたい、家から出たくないと考えることが多いでしょう。
このつながりを利用し、なんらかの行動を起こして思考を変化させることを「行動活性化」と呼びます。楽しい、わくわくする気持ちになれる行動をとる機会を増やして、ポジティブな思考をより積極的に引き出すのです。
行動のあとには、どんな気分になったか何ができるようになったかを記録し、ポジティブな気持ちになっている自分を認識することで認知のゆがみを修正していきましょう。
まとめ
認知のゆがみや自動思考のズレを修正し、物事を極端にネガティブに捉えてしまう癖を直すことを目指すのが「認知行動療法」です。セルフ認知行動療法は、以下のような方法で自分一人で取り組むこともできます。
<セルフ認知行動療法のやり方>
・自動思考を記録して客観的に見返す
・楽しい、わくわくする気持ちになれる行動を多くとる
セルフ認知行動療法では効果を感じられなかった方や、一人で実践することに不安がある方は横浜市港南区のカウンセリングルーム「キミィ・メンタル・サプリ」にお気軽にご相談ください。「キミィ・メンタル・サプリ」では、認知行動療法を主軸としたカウンセリングをおこなっております。明るくポジティブな本来の自分を取り戻す方法を、ともに考えていきましょう。
2024/03/11
認知行動療法とは
近年は、「周囲の人たちと接するのが難しい…」「自分の意見に自信が持てない」などとお悩みの方も少なくありません。そのような方々にぜひとも知っておいていただきたいのが、心理療法のひとつ「認知行動療法」です。
今回は、その認知行動療法についてわかりやすく解説します。人間関係や心の問題にお悩みの方は、ぜひご覧ください。
認知行動療法とは
認知行動療法とは、認知への働きかけをおこなうことで、心に溜まったストレスを軽減するための心理療法 です。厚生労働省によると、認知行動療法はうつ病をはじめとする心の病に対して効果がある心理療法だと 立証されています。
そもそも「認知」とは、ある状況において、物事をどのように受け取る、あるいは見るのかを表す言葉です。認知は心の状態に左右されやすく、ストレスが溜まっているときは悲観的に物事を考えやすくなり、次第に心が追い込まれることもあります。
認知行動療法で取り組むのは、物事を悲観的に捉えるような考え方への働きかけです。治療を通じてストレスと上手に付き合える心を育てます。
認知行動療法が必要な理由
認知行動療法が必要な理由は、個人個人に備わった本来の能力を最大限発揮してもらうためです。物事に対して必要以上に不安感を抱いたり落ち込んだりすると、パフォーマンスが低下して潜在能力を活かしにくくなります。
たとえば、返却された数学のテストが60点だったとしましょう。このとき、心が健康な方と心に病を抱えた方との認知にはさまざまな違いがあります。
【例:数学のテストが60点だった際の認知の違い】
心が健康な方 心に病を抱えた方
・60点分も正解できた
・60点は、実力を考えれば十分だ
・数学は点数が良くなかったが、国語はそこそこ、英語は90点以上に違いない ・40点分も間違ってしまった
・満点を取れなかったのだから、0点と変わりない
・きっと他の科目の点数も低いだろう
心が健康な方はテストの結果や、今後返却されるテストの点数を前向きに考えられます。物事に対して何が良くて何が悪いのか、落ち着いて判断できているともいえるでしょう。
一方、心に病を抱えている方は全体的にマイナスな考え方が多く、未来予想も悲観的です。心が下向きになると意欲の低下や気分の落ち込みにつながり、その後のパフォーマンスにも悪影響をおよぼしやすくなります。
認知行動療法を用いることで、パフォーマンスの低下につながる極端なマイナス思考、いわば認知のクセは改善可能です。前向きな物事の捉え方が身につき、さまざまな場面で潜在能力や才能を役立てられるようになります。
認知行動療法に期待できること
認知行動療法をおこなうことで、以下の病の改善が期待できるとされています。
【認知行動療法の効果が期待される病】
・うつ病
・パニック障害
・強迫性障害
・統合失調症 など
なかでもうつ病とパニック障害は、薬物療法による治療と比較した結果、認知行動療法を用いた患者さんのほうが再発しにくいとの結果が出ています。これらの病に悩んでいる方にとって、認知行動療法は試してみる価値があるといえるのです。
うつ病
うつ病とは、集中力の低下や不安感、不眠など気分や身体などにさまざまな影響が生じる疾患です。発症する原因はストレスと考えられており、小さな精神的なストレスが積み重なっても起こり得るとされています。
パニック障害
パニック障害とは、動悸や発汗などのパニック発作が突然起きたり、いつパニック発作が起きるか不安になり、日常生活に支障をきたしたりするほどの恐怖を感じる状態になることです。パニック障害が起こるシーンは乗り物や人混みなどさまざまで、発作の内容も身体の震えや息苦しさ・めまいと多岐にわたります。
強迫性障害
強迫性障害とは、不安や恐怖心から過剰な手洗いや戸締まりの確認などを繰り返す疾患のことです。普段の生活や習慣の延長線にあるため過剰な行動かどうか判断しにくいものですが、日常生活に支障が出るほどの行動内容だと判断された場合、強迫性障害が疑われます。
統合失調症
統合失調症とは、思考に混乱が生じたり自ら行動しなくなったり、判断力が低下したりする精神疾患です。代表的な症状はさまざまありますが、なかには妄想や幻覚を見てしまう ケースもあります。原因は過度なストレスや神経伝達物質のバランスが乱れることなどといわれていますが、実のところは判明していません 。
認知行動療法の具体的な内容
実際に認知行動療法を開始する場合は、主に以下の流れで治療が進みます。なお、治療したい疾患により、認知行動療法の手順や内容に多少の差はあると考えておきましょう。
【認知行動療法の具体的な内容】
1.治療方針を立てる
2.行動活性化で適応力の強化を図る
3.認知のクセを修正する
各項目について、解説します。
1.治療方針を立てる
認知行動療法では最初に治療方針を決定すべく、患者さんと話し合いを重ねます。悩んでいることや長所などから調査した患者さんの人となりを参考にしながら、今後の計画を練り上げます。
作成した治療方針は患者さんと共有し、担当者だけが把握することはありません。患者さんと共に治療を進めていきます。
2.行動活性化などで適応力の強化を図る
治療方針が決まったら、行動活性化などの手段を用いてストレスなどさまざまな問題に対応できる力を身につけます。行動活性化とは、自分が楽しいと思える、あるいはやりがいにつながる活動に取り組むことです。
行動活性化は気分を高める働きがあり、無理のない範囲でおこなうことで少しずつ生活リズムが身につきます。行動の内容は、日常生活を送るうえで必要なものや楽しいと感じるものなどさまざまです。
以下に行動活性化に該当する活動例を挙げたので、ぜひ参考にしてください。
【行動活性化の例】
・お風呂に浸かる
・身近な場所を掃除する
・好きな音楽を流す
・気になるお店に出かける
・家の周りを散歩する など
行動活性化に加えて、現在悩んでいる症状の原因をひも解き、問題を解消する取り組みも実施します。気持ちをコントロールする、あるいは自信を持てるようになったら、少しずつ他者との交流も図るようにします。このような治療を続けていくことで、次第に状況に対応できる能力が向上していくでしょう。
3.認知のクセを修正する
適応力の向上をクリアしたら、認知のクセを修正します。修正のカギは、ある出来事が起きたときに瞬間的に思いうかぶ認知、つまり自動思考です。
自動思考をピックアップし、理由や結果などをひとつずつ確認していくことで、認知と現実の違いを理解しやすくなります。次第に極端にマイナスに物事を捉える見方が改善され、必要以上の不安感や落ち込みを感じることも少なくなるでしょう。症状が回復したら、認知行動療法による治療は終了です。
横浜で心理カウンセリングを受けるなら【キミィ・メンタル・サプリ】へ
認知行動療法とは、認知への働きかけをおこない物事の捉え方や見方にアプローチして、悲観的な考え方をあらためる心理療法です。うつ病や強迫性障害など、心の病の治療に役立つとされており、特にパニック障害などに関しては再発しにくいとされています。治療方法は大きく3段階にわかれており、面談などを重ねて改善を図ることが可能です。
神奈川県横浜市にあるキミィ・メンタル・サプリでは、認知行動療法を用いてクライエント様のお悩みに根本からアプローチ します。周辺にお住まいで、心の悩みを抱えている方は、ぜひ一度お越しくださいませ。