2022/02/17
カウンセリングを受ける意味と目的
本日のブログは、より効果的にカウンセリングを受けていただくためには、受診の意味と目的を明確にもって受診した方がいいというお話です。
カウンセリングを受けにいらした方は、日常生活の中で、人間関係がうまくいかない相手がいるとか、人生がうまくいかずに気持ちが沈んでヤル気が起きないなど、様々なストレスを抱えて「これは一度カウンセリングを受けてみよう」と思い立ち、検索し、ここがよいのではと思ったカウンセリングルームを訪ねていらっしゃいます。
その一番の目的は、まず、誰かに話を聴いて欲しい、自分の気持ちを誰かに解ってほしいということだと思います。
しかし、1回カウンセラーに話しただけでは、多少はスッキリするかもしれませんが、それで問題が解決したとはならない方がほとんどです。長年、悩んできたことが、そんなに簡単に解決するはずがないのは当然といえば当然かもしれませんね。
となると、2度3度~とカウンセリングに通うことになりますが、そこに意味と目的を明確に持っていらっしゃる方と、問題意識が希薄でただ話を聴いてほしいと思っている方では、カウンセリングの効果に大きな違いが出てきてしまいます。
当カウンセリングルームは”認知行動療法”を主軸にカウンセリングを行っていますので、毎回、アセスメントシートを書くというような宿題が出ます。アセスメントシートとは、ストレスのかかった出来事を、少し分析的に、その時の自分の気持ちや考え、行動などを書いて、客観視するためのシートです。それを観察しよりよい認知と行動に変化させる目的のために使います。
人は客観性をもって自分のことを理解して初めて、よりよい自分に変わることができるのですが、ひとりでそれを成し遂げることが難しいので、カウンセリングを受けカウンセラーと共に、よりよい自分に向かってどのように変化させたらいいか考え、行動するのです。
カウンセリングは決してお安い金額ではありませんから、1時間、ただおしゃべりしているだけでは無駄遣いになってしまいます。
なりたい自分に向かって、意味と目的を明確にして、カウンセリングを有効活用していただけると嬉しいです。
カウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”は横浜市港南区の上大岡駅すぐのところにあります。
是非、お気軽にご連絡ください。お待ちしております。
2022/02/11
"共依存"とはどんな人間関係か?
皆さま、毎日寒いですがいかがお過ごしですか。
横浜市港南区にあるカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリの萩原です。
本日は”共依存”という耳慣れない言葉についてお話させていただきます。
”共依存”とは共に依存し合っているという意味ですが、元はアルコール依存症の夫とその妻の関係、つまり、お酒におぼれる夫と私がいなければ彼はダメになってしまうと思って、暴力を振るわれたりしているのに夫を世話してしまうような妻といった関係を指して用いられる言葉でした。
しかし、現在はもっと別の形態の人間関係にも用いられるようになり、例えば、「毒親と娘」とか、「介護される親とヤングケアラー」などにも当てはまることがあります。
当カウンセリングルームに相談にいらっしゃるクライアントさんとしては、意見の強い母親に振り回される娘さんが「いつまでたっても私に干渉する母親からいい加減に自立したいのですが…」といったケースが何件かありました。
もう十分大人になっているにも関わらず、いくつになっても自分のもののように扱われる娘は、ついいつでも母親の顔色を見たり、母親の意見に同調して事を荒立てないようにしてしまった結果、自分らしい人生を手に入れられなかったり、手放して結局母親の元に戻ってしまったりします。
人は生まれ落ちた瞬間から別の人格を持ち、それぞれの人生をその人らしく生きる権利があるのですが、誰かの世話をしたり、誰かに付き添うことでしか自分の人生を生きられない、そんな人間関係を”共依存”と呼びます。
それは単に優しいとかお世話好きとか愛情深いなどと錯覚しがちですが、自分の人生はそれぞれが自分を律して自分で全うするのが本当ですから、どんな濃密な関係でもある適切な距離を置くことが大切です。
親子関係や夫婦関係にお心当たりのある方は、是非、勇気を出してご相談にいらしてください。
2022/02/04
今あることの幸せに気づこう
2022年もあっという間に1か月が過ぎ、2月に突入してしまいました。
毎日毎日、寒いので、心も体もエンジンがかかって温まるまでに時間がかかるなと感じています。
人は今、手にしているものは、手にしていて当たり前と思う習性があるようで、例えば、大病をなさった方とかから「病を得て、道端の小さな花の美しさに初めて気づきました」というようなお話を耳にすることがあります。
私も大病をしたわけではありませんが、こう毎日寒いと、外に出た瞬間に太陽のぬくもりを感じて「太陽ってすごいなぁ。今日もこうして元気に出かけることができるって幸せなことだなぁ」などと思います。
本日のお話は「今あるものは本当に大切なもの」というテーマです。
当カウンセリングルームにお見えになるクライアントさんは、それぞれご自分の今の状況に不満や不安を抱えていて、そのことをこと細かにお話しくださいます。
初回は「どこから話したらいいのか…」などとおっしゃりながら、積もり積もったお悩みを吐露するという感じで、時には涙ながらにここまでの日々、関わった人、どんなことをされたり言われたり、どれだけ傷ついたかなど切々と訴えようとなさいます。
話している内に悲劇のヒロインのようになっていく方もいらっしゃいます。
お悩みの内容も人間関係のお相手も、みんな様々ですが、お話の調子としては、うまくいかない自分、悲しみにくれる自分、自分で自分をどうしたらいいかわからない自分など、トーンは似ていると思います。
客観的に伺っているカウンセラーとしては「ずいぶんもったいないな」「あなたにはそんなにいいものが手に入っているのに…」と感じるクライアントさんも多く見受けられます。
マインドが悲劇のヒロインになってしまうと、自分が手にしているもの、頑張って身に着けたものなどは、あって当たり前になってしまうようで、失ったもの、手に入らなかったものばかりがクローズアップされてしまいます。
カウンセリングは、今の自分を客観的に観察し、見つめ直す作業から始まります。
悲劇のヒロインの幕を下ろし、新しい役どころをつかんで、次の舞台に立ちませんか?
カウンセラーはあなたの新たな舞台のお手伝いをいたします。
2022/01/29
年代差という深い河
当カウンセリングルームには、ご夫婦やカップルの問題で相談にみえる方が大勢いらっしゃいます。
そのご夫婦やカップルで、ダンナさんが20歳年上、27歳年上、彼が8歳年下など、世間一般のご夫婦やカップルより年の差が大きい方々には、共通の問題があるように思います。
それは「年の差ゆえに相手が理解しがたい」ということです。
いわゆるジェネレーションギャップと呼ばれるものでしょうか。
人は生きてきた年代による社会的背景、両親のものの考え方、子どもへの関わり方など、様々な影響を受けながら成長し生活しています。
現在30代の人と50代の人では、相当違う環境で育ったことになり、個々人の生活環境のみならず、その時代の動向や事件事象によって、価値観や社会通念も形作られ、時代により変化するその影響を受けることになります。
よく「ゆとり世代は~だ」とか、バブルを知っているとかいないとか、バブル後に生まれた世代と知っている世代とは全く考え方や価値観が違うとか、「団塊の世代に育てられた子どもは~だ」みたいな言い方にそれは表れています。
そんな風に違う時代背景で育ったふたりが夫婦やカップルになり、やがて父親や母親になった時、子育てに対する考え方、男女に関する考え方や価値観の違いが生じるの当たり前のことで、言い争いや大きなもめごとに発展することも容易に想像できます。
しかし、何十年もかかって培った考え方や価値観はそうは簡単に変わらないので、擦り合わせたり一致させるのは大変です。そんなもがき苦しんでいるおふたりを間近にして、どう乗り越えるか一緒に模索してまいりました。
その結果、どのような結論を導き出されたとしても、それは尊重すべきだと思っていますが、まずは年代差のあるおふたりは「年代差」というハードルは思っている以上に高いということを最初から受け止めた上で、お互いを理解しようと努めることが大切だと感じています。
当カウンセリングルームは女性限定を謳っていますが、ご夫婦やカップルの問題でご来所なさる方は、男女ともにカウンセリングを受けていただくことができます。初回はおふたりで、2回目からは別々にお話を伺います。
カウンセラーはおふたりの間にニュートラルな形に位置し、守秘義務を守り、時には自らの自己開示などもしながら、おふたりのよりよい未来のあり方を模索していきます。
どうぞお気軽にご相談ください。
2022/01/23
エゴグラムから見えてくるもの
当カウンセリングルームでは、通所なさって半年以上経った方に、毎年1月、エゴグラムを実施しています。
エゴグラムとは簡単に言えば性格診断のようなものです。方法は50問の質問に○✕△で瞬時に答えていただき、点数を集計しグラフにします。その結果で、今のその方がどんなご性格でどんな行動特性を持っているかを判断します。
「今の」というのがキーポイントで、同じエゴグラムを半年もしくは1年後に実施すると、若干もしくは大きく数値が変わってくることがあり、認知行動療法によって認知や行動を変化させたことによる成果が表れたということが言えるのかもしれません。
エゴグラムには5つの項目があり、父性的なもの、母性的なもの、社会性、自由なもの、抑制的なものの5つですが、それは高すぎても低すぎても好ましくなく、どれかだけが突出することなくバランスのよい状態がいいとされています。
クライアントさんに実施した場合は、それまでのお悩み、その時点での状況、今後のビジョンなどを考えあわせ、ひとつの指針となるようにエゴグラムを活用しています。中には長く通っていただきている中で2~3回エゴグラムを実施することになった方もいて、前回、前々回の結果と比較しながら今回の結果を分析することもあります。
「人はなりたい自分になる」「人は変わりたいと思った人だけが変わることが出来る」
これは当カウンセリングルームの2大スローガンです。
「今のままではいけない」「何とかしなければ」と思うだけでは人は変わることはできません。
どうなりたいのかのビジョンを描けて初めて行動を開始することが出来るのです。
カウンセリングは、まず、その混沌とした状況を打ち明け、整理し、観察するところから始まります。
ご自分ひとりではどうしたらいいかわからない、自分で自分のことが分からない、こんがらがった糸のほぐし方を誰か教えほしい…。
そんな時、どうぞカウンセリングを受けにいらしてください。
当カウンセリングルームでは”認知行動療法”や”スキーマ療法”などを用いてカウンセリングを行い、あなたの道しるべになれればと思っております。