2022/03/24
ステージという考え方
認知行動療法を主軸に、女性限定でカウンセリングをしておりますカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
本日は「人生におけるステージという考え方」についてのお話です。
ステージというのは言い換えれば人の役割とか所属ということになろうかと思います。
例えば、子育て真っ最中の方は「母親」という大きなステージ、結婚なさっている方は「妻」というステージ、お仕事をなさっているなら「仕事人」というステージを持っているということになります。他にも、趣味のお稽古事やサークル、ママ友の会、学生時代の友達とのランチ、ボランティアなど、人は大小さまざまなステージを行き来しつつ、様々な人間関係を営みながら生活しています。
さあ、ご自分のステージの数を1週間ぐらいをひとつの単位として考えた時、あなたはいくつぐらいのステージを持っていますか?
ステージ数が極端に少ない方、例えば、仕事と家の往復だけとか、子育てをワンオペで頑張っているとか…。
そういう方が仕事先でトラブルを起こしたり、子育てがうまくいかないなど、悩み事が発生した時、通常、人はいくつかのステージを行き来しながらバランスをとって生活しており、仕事で見せる顔、家族との顔、遊びの顔などを使い分けているのですが、ひとつかふたつしかステージがない方は一挙に足元が揺らいで立っていられなくなってしまいます。
誰かに話を聴いてもらう、客観的に自分を観る、別の捉え方でその問題を考えてみるなど、ひとりでうずくまってしまわないことが肝要です。
人生はいくつかのステージで、ひとりを満喫するのも良し、いろいろな人と関わりながら豊かに過ごせたらいいですね。
悩みはひとりで抱え込んでしまわないで、思い切ってカウンセリングルームにいらっしゃいませんか。
きっとあなたのお役に立てると思います。
2022/03/17
疑う心の裏側
最近、なぜかカウンセリングルームに相談にみえる女性クライアントさんから、夫のものをつい見てしまって、そこで発覚した事柄から辛い思いをしているというお話を聴くことが度重なっています。
そもそも夫やパートナーであっても、人のパソコンやスマホ、お財布を覗き見たり、夫のスマホにGPSを入れたりする行為はしてはいけないということは、皆さん、分かっているのに、その見たい知りたいという衝動を抑えきれず、疑う気持ちが膨れ上がって行為に及んでしまうようです。
パソコン内のファイルに見知らぬ女性の画像が大量に見つかったり、スマホでやりとりしたメールが発覚したり、財布やジャケットのポケットから高級ブランド店の領収書が出てきたり、GPSで追跡したら会社じゃなくてゴルフ場や温泉地にいっていることが分かったり…と、疑う気持ちの決定打としての証拠品を見つけてしまうというわけです。
夫やパートナーとうまくいっていないと感じ、その言動が何か怪しいと思われることが続き、疑い出したらきりなく疑わしいと思えてくる。不誠実な現実が立証できたとして、自分が辛い思いをするだけだと分かっていても、そのやましい行為を止めることはできない。それが皆さんの共通する心理だと感じています。
その結果、夫やパートナーを問い詰めても、適当な言い逃れをされ、それでもやっぱり疑ってかかっていると凝りもせず怪しい行動をとるので、ますます妻は苦しく孤立、かといって離婚もできないししたくないというお話を伺って、なぜ、見なければよかったものを人は見たくなってしまうんだろうと不思議に思います。
それはまだ夫やパートナーを信じたいからですか?愛しているからですか?
「知らぬが仏」という言葉があるように、ご自分の生活が脅かされていないのであれば、相手をある程度自由にさせるというのも上手なパートナーシップかもしれません。どこまでが許容範囲でどこからがアウトなのかはそれぞれのお考え次第ですが、度を越えて相手を拘束したりコントロールしようとしても、いい夫婦関係にはならないので、そのさじ加減が難しいですね。
カウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”は人間関係・夫婦関係・恋愛相談などどのようなご相談も承っています。
認知行動療法でご自身の心の持ち方、行動のスタイルなどを見つめ直してみませんか。
是非、お気軽にご相談ください。
2022/03/08
自分の性格を知る
こんにちは、カウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
当カウンセリングルームでは傾聴だけではなく、認知行動療法を主軸にしたカウンセリングを行っています。
認知行動療法ではアセスメントシートという用紙にストレスのかかった出来事を日記のように書き出すという作業をしていただきます。
その用紙に、どんな出来事があって、どんなことを感じたかまたは考えたか、どんな態度をとったかなどを書き出してみると、怒りやイライラ(ストレスのかかる出来事の多くはこうした感情を抱くので)を通してご自分の性格がわかってきます。
怒りを爆発させ、大きな声で相手をののしる人、怒りは感じるものの直接相手には言わずため込む人、イライラをものにあたったり嫌味を言ったりする人、怒りより悲しくなってしまって自分を責める人、妙に冷静に受け止め、相手と自分は違う考え方なんだと思う人など、本当に様々です。
でも、人は自分のことは案外分かっていないことも多く、こうしたアセスメントシートを書いてみて初めて自分の考え方やものの捉え方のくせやリアクションのくせを知るといった方が少なくありません。
「べき思考が強い人」「白黒思考で、ものごとにグレーの部分がない人」「何でも人のせいにする人」「自分のせいではないのに自分が悪いと思い込む人」、カウンセリングルームでお目にかかる方にはこうした性格の方が多い気がします。
カウンセリングはまず、ご自分の性格を知り、行動のパターンを知るところから始まります。
毎回のように申し上げることは「人は変えられない。変えられるのは変わろうと思った自分だけ」と。
その自分も「自分は悪くない。私の言っていることは正しい」と言い張っているうちは変わることはできません。例えそれが正論でも、相手にとっては正論じゃないかもしれませんし、その言い方では相手に伝わらないということもあります。
まずはご自分の性格を知り、周囲の大切な人とどのように関わっていけばいいのか、それを一緒に探す、それが認知行動療法です。カウンセラーはあなたの伴走者なのです。
どうぞお気軽にご相談ください。
2022/03/03
カウンセリングと薬 それぞれの必要性
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
本日は、心のお悩みに対してどんな治療が最適かというお話です。
精神的な問題を解決するにあたって、悩んでいる当事者であるクライアントさんがまず考えるのは、どこに相談にいけばいいのだろうということだと思います。
真っ先に思い浮かべるのは、心療内科か精神科に行って薬を処方してもらい、うつっぽかったり眠れないといった症状を改善したいと思うのかもしれませんが、最近は薬には頼りたくないという思いの方も多く、最初からカウンセリングを受けてみようと考える方が増えています。
ますは目下の状況や悩みを誰かに聴いてほしいということだと思いますが、カウンセラーは医師ではないので薬は処方しませんし、逆に医師は薬は処方してくれますが、十分なカウンセリングは行われないことがほとんどです。双方の精神的なお悩みに対するアプローチが違うので、クライアントさんの側がよく考えてどちらに行くか選択する必要があります。もちろん中には両方必要な場合もあります。
私は心理カウンセラーですので「心の悩みは心で解決できるといいですねというスタンスで、認知行動療法を主軸にカウンセリングを行っていきます」とお見えになったクライアントさんには説明しています。
しかし、まれにカウンセリングに通ってきている間にも激しい気分の落ち込みや不眠などで、精神科や心療内科でお薬の処方を受ける方もいらっしゃいます。
また、カウンセリングより先に精神科等でお薬を処方してもらい服用したけど、副作用が強く出たり、離脱作用に苦しんだりしたので、薬に頼らず何とかしたいとカウンセリングを希望なさる方もいらっしゃいます。精神科等で処方されるお薬は脳の機能に働きかけるものが多いので、こうしたご意見はよく耳にするところです。
個人的にはお薬を否定するものではありませんが、カウンセリング、特に認知行動療法のエビデンスは確立していますので、一日二日でたちどころに治るというようなものではありませんが、ご自分の「今」と向き合い、じっくり取り組まれるのもいいのではないでしょうか。
カウンセリング受診のハードルが高いと感じている方もいらっしゃると思いますが、少しだけ勇気を出して、是非一度、予約してみませんか。
2022/02/24
認知行動療法で何を変えるのか
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
本日は当カウンセリングルームが主軸に掲げている「認知行動療法」とはどんな心理療法なのかについてお話いたします。
認知行動療法のセッションでは、毎回、アセスメントシートという用紙が宿題のように渡されます。
クライアントさんには次のセッションまでの間に起こったストレスのかかった出来事を、日記のような感じでアセスメントシートに書き込んでいただき、それを元に詳しいカウンセリングが行われます。
アセスメントシートには「出来事」を書く部分と、「認知」「行動」「気分・感情」「身体反応」を書く部分があり、クライアントさんは少し客観的にかつ分析的に自分に起こったストレスフルな出来事を記録します。
客観的かつ分析的という部分が非常に大切で、どんなにイライラしたり、悲しかったり、涙がこみ上げてくるような出来事も、自分の言葉で一度シートに落とし込み、それをカウンセラーに話すことで、自分のものの見方や考え方、行動の仕方の特徴が見えてくるのです。
例えば、ここに搾りたてのフレッシュオレンジジュースがあるとして、一気に半分飲んで残りの半分を「あ~、もうあと半分しか残ってない」と思う人と「まだ半分あるから楽しめる」と思う人がいるように、ものごとは見方を変えると見え方が違ってくるということがありますよね。
それと同じように同じ事象も角度を変えてみると、別の見方や考え方が出来たり、今までとは違う行動もあり得るということに気づけるのです。
誰しも何十年か生きている間に似たようなものの捉え方と行動をしてしまいがちですが、それを少し変えてみることで相手の反応が変わったり、自分自身にも新たな気づきを得たりして、悩みが解決することがある、それが認知行動療法です。
書店には自分で認知行動療法をやってみるといったワークブックなども並んでいますが、認知行動療法で最も大切なのは、客観的かつ分析的に自分を観ることが出来るかどうかだと思います。
その点に自信のない方は、カウンセラーを伴走者にして、ご自身の認知と行動の変革に取り組まれることをお勧めします。