2023/10/04
メタ認知の重要性~あなたはメタ認知という言葉をご存じですか~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
ようやく秋風が吹き、一気に気温が下がってきましたね。
さて、本日は「メタ認知」という聞き慣れない言葉についてのお話です。
メタ認知というのは「自分が物事に対してどう思っているかや感じているか(=認知しているか)の状態を,客観的に認知している状態のことをいいます。
例えば、相手が自分の気に障るものの言い方をした時に、すごく腹が立つとかムカついている自分を客観的に「あぁ、こういう言い方されると自分はすごく嫌な気分になるんだな」と認知するというようなことです。
もちろんネガティブな感情だけでなく、例えば、買い物をする時に「期間限定」の文字をみると、必ずそれを手に入れたくなり、つい買ってしまうなどの時、「私ってこういう誘い文句にホント弱いのよね」と解った上で、やっぱり買ってしまうというような感覚もメタ認知といえます。
当カウンセリングルームでは認知行動療法を主軸にカウンセリングを行っていますので、必ず、クライエントさんに申し上げることのひとつに「もうひとりの自分を肩の上あたりに常に座らせて、ご自分を観察してください」というのがあります。
これはメタ認知能力を養ってくださいというのを、もう少し、分かりやすい言葉でお伝えしているだけで、やろうとしていることは同じです。意識して自分の認知(考えや感じ方)を観察して、分析することで、ご自分のことを理解すると、考え方や感じ方のクセが分かってくるというものです。
そこに歪みやクセを発見できればしめたもので、それを少し変化させることで、息苦しさが緩和されたり、人間関係が好転したりする可能性があるのです。
案外、自分のことは自分ではわからないものです。
何が原因かよくわからないけど、なぜかうまくいかないといったお悩みがある方は、メタ認知能力を養って「自分を知る」ということから始めませんか。
答えはご自分の中にあるはずです。
2023/09/26
オーバードーズの誘惑
おはようございます。
ようやく秋らしい清々しい朝になってきましたね。
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
さて、本日は、最近、時折耳にする「オーバードーズ」に関するお話です。
ここのところ、悩める若者たちの間で、オーバードーズが社会現象化しているといいます。
オーバードーズとは市販薬の過剰摂取のこと、もしくは薬物の過剰摂取に及ぶ行為のことを指しています。
医者に処方してもらった薬をためておいて、一気に服用する場合もありますが、近年、問題になっているものは薬局で自由に買うことができる市販薬、例えば、風邪薬や頭痛薬などを使ったオーバードーズです。
薬を手軽に入手できる上に、どこかオーバードーズという言葉の響きがかっこいいと感じられるようで、「生きるのが嫌になった」「辛いことがあっても誰も助けてくれない」といった気持ちになった時に、OD(オーバードーズのことをこう呼ぶ)の衝動に駆られてしまうことがあるようです。
こうした市販薬は一定量を守っていれば、もちろん何の問題もありませんが、一度に何十錠も飲んでしまうと、急性毒性のために死に至ることもありますし、使い続けることで依存症になったり、薬なしでは生活できないという状態に陥ることもあります。また、医薬品の用法・用量を守らない行為は法律違反でもあるのです。
心理学的には誰かに気づいてほしい、誰かに助けてほしいといういう思いで行う意味合いがあると思われますが、ご自分の気持ちを聴いて欲しい時、孤独から逃れたい時などにオーバードーズという方法が最適かよく考えてみてください。
例えば、カウンセリングは安心・安全な場所であなたの気持ちを全部吐き出すことができますし、カウンセラーは親身になってあなたの気持ちを受け止めてくれるでしょう。
新しい一歩を踏み出すお手伝いとして認知行動療法や空椅子の技法などは、あなたの現在の状況を分析し、活路を見出すことができるかもしれません。
オーバードーズは周囲に迷惑がかかりますし、ご自身も本当に願っている結果になるとは限りませんので、安易に踏み込まず、少し冷静になっていただけると嬉しいです。
私でお役に立つことがあれば、いつでもご連絡ください。お待ちしております。
2023/09/18
イライラポイントの観察
こんにちは。シルバーウィークですが、いかがお過ごしですか。
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
今回は当カウンセリングルームがカウンセリングの主軸にしている認知行動療法に関するお話です。
認知行動療法では、まず、ご自分がストレスを感じた出来事を、アセスメントシートに書くことで外に出すという作業をしていただきます。これを外在化と呼びます。
まずは出来事を書いて、次に少し分析的に4つの項に分けてその時のことを書き出します。最初は認知、つまり沸き上がってきた感情や考えをそのままの言葉で書きとります。2番目はそれを感情や気持ちを表す言葉でいうとどんな言葉になるかなるべく単語で書きます。また、体で感じた身体反応はどんな感じか判ればそれも書きます。そして、実際にはどんな行動をしたのかも書き出します。
こうして、誰かに話すだけではなく、紙に書くことによって、自分の書いた言葉を観察すること、客観視することができるようになるのです。
ストレスを感じる感情を言葉にすると、「イライラ」「怒り」「悔しさ」「嫌悪感」といった言葉が並びますが、それを見ながらカウンセラーは問いかけます。
「このイライラポイントはどこに向かっていますか?」と。
何かストレスフルな出来事があって、相手に対してイライラした、つまり、相手が自分にしてきたことにイライラする、もしくは相手の言葉にイライラしたという場合がひとつあげられますが、よく考えてみると、その出来事は自分ができなかったこと、自分の失敗など、ご自分が責めを負うべきことの場合もあるのではないでしょうか。
それなのに相手を恨んだり、攻めてイライラしてはいませんか。
もしくは自分ができなかった問題や課題そのものを憎んでいませんか。
カウンセリングルームにいらしたクライエントさんの話をよくお聴きすると、案外、ご自分のことを棚に上げて人を攻めていたり、ものごとを恨んでいたりしますが、そのイライラは自分に向けてのふがいなさや努力不足などに起因していることも多々あるのではと感じています。
そのあたり、間違った方向にイライラしていないか、イライラポイントを観察してみることはとても大切だと思います。
認知行動療法は自分の陥っている感情が正しいルートなのか気づきを促し、ご自分のクセっぽい考え方や歪んだ認知を正すことができます。
カウンセリングではカウンセラーが伴走者としてあなたに寄り添い、ご自身が素直で謙虚に生活でき、人間関係が円滑になるようお手伝いいたします。
「毎日がイライラしてうまくいかない」そんな風に感じていらっしゃるなら、是非一度、認知行動療法を通してご自分を観察し、リセットしてみませんか。
2023/09/13
多角的見方のススメ
こんにちは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
9月半ばだというのに、本当に暑いですね。皆さんは夏バテになっていませんか。
でも、空を見上げると、空の青はひときわ真っ青で美しく、入道雲とすじ雲が同時にあって秋の気配も感じます。
こうした空を「行合い(ゆきあい)の空」と呼ぶそうです。日本語って美しいですし、こうした日本人の感性も素晴らしいですね。
こんな風にものごとを見る時に、暑さひとつをとっても「いつまでたっても暑くて本当に嫌になっちゃう」という見方もありますが、「今日は行合いの空になってるから、さすがに秋めいてきたね」なんていう見方もできますね。
例えば、ここに搾りたてのフレッシュ・オレンジジュースがコップ1杯あったとして、一気に半分まで飲んだとします。残りの半分に対して「あーあ、もう半分になっちゃった。こんなに暑いのに足りないかも」と思う人と、「大丈夫、あと半分残っているから十分だ」と思う人がいると思いますが、あなたはどちらのタイプですか。
仕事に対しても、やるべきことがなかなか進まず、まだ半分以上残っているというような場合、「どうしよう、全然出来てない」と焦る人と、「ここまで出来たから、残りを〇時間で仕上げれば何とかなるかな」みたいに考えられる人がいます。
こうした楽観主義と悲観主義とも呼べるような、ものの見方が肯定的な人と否定的な人がいますが、ご自分の考えやものの見方のクセを知って、苦しい方へ傾きがちなものの見方を少し変えてみようというのが認知行動療法です。
同じ事柄でも見方や捉え方の角度を変えると別の景色が見えてくることが分かります。
ご自分の見方や捉え方のクセが、ご自分や人を苦しめているのであれば、少し変えてみると、あなたの心にも「行合いの空」が見えてくるかもしれませんよ。
認知行動療法にご興味がある方は、是非一度、ご相談ください。お待ちしています。
2023/09/06
ASDもしくはADHDを受け入れて生きる
今晩は。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
まだまだ蒸し暑いですが、少しは秋の気配が感じられるでしょうか。
本日は「大人になってから発達障害とわかったら」というお話です。
最近、よく話題になるのが「大人の発達障害」という言葉です。これは幼少期に発達障害が分かって、学校や就職など様々な人生の岐路で発達障害であることを考慮した選択をしながら大人になるのに対し、すでに大人になっているのに、何か人と違うとか生きづらいとか、人間関係がうまくいかないということで発覚する発達障害のことを指しています。
すでに社会人として会社に勤めていたり、社会的には立派な職業に就いている方も、そうではなくて社会にうまく適合できず、家に引きこもっているといったケースもあり、いろいろですが、共通しているのは「こだわりが強い」「人の気持ちを察するのが苦手」「仕事に集中できず失敗が多い」「場の空気を読んで行動することができない」「自分勝手」「衝動的」など、周囲との協調性に著しく欠けるというようなことから「もしかして??」と判ることが多いようです。
しかし、だからといってその発達障害そのものに効く薬があるわけではないので(うつ状態とか睡眠に問題がある場合は対処する薬はある)まずは本人がそのことを受け入れ、周囲の人も理解した上で、傾向と対策を講じるということになります。
発達障害には大きくいってASD(自閉スペクトラム)とADHD(注意欠如・多動障害)があり、どちらか一方を持っている方と併せ持っている方とがいます。アスペルガーもそのひとつです。
当カウンセリングルームに悩み相談にいらした方の中にも、いろいろお話を伺ううちに「もしかして…」と思う方が何人もいらっしゃいます。しかも最近は特に増えている気がします。
その方たちはご自分が発達障害と知っている方もいますが、知らずに今まで過ごしてきた方がほとんどです。
そのようないわばグレイゾーンの方は「何か人と違うかも」とか「なぜか人と上手にやっていけない」などの悩みを抱えて生きていらっしゃいます。
レッテル貼りをすることが目的なのではなく、自分がASDであるとかADHDであると分かった上でうまくいく方法を見つけることが今後の課題になるでしょう。
認知行動療法やスキーマ療法で解決の糸口を見つけてください。
お手伝いいたします。