2023/11/13
心の柔軟さのお話~個人差もありますが、人は年と共に心のしなやかさを失う傾向があるようです~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
昨日から急に寒くなり、夕べは羽毛布団を引っ張り出してしまいました。
秋から一気に冬が来てしまったようですね。
さて、本日は「心の柔軟さ」というタイトルでお話ししてみようと思います。
人間は歳を重ねると自分の性格の長所も短所もじっくり考えなくなるようです。
就活で履歴書を書いたり、異性と恋愛したり結婚したりというあたりの年齢の頃は、人と折り合いをつけたり、社会の状況に合わせたりする必要があるせいか、ご自分の長所短所も理解した上で、かなり柔軟に対応できていたことが、年を追うごとに出来なくなってくるのが人の常です。
当カウンセリングルームのお悩み内容も、30代40代50代と年齢が上がるにつれ「相手と自分は考えが合わない」「相手を変えることはできないものか」といった感じになって、決して、自分がまずは変わらなければという発想にはならないように見受けられます。
でも、残念なことに相手を強引に変えることはできないのです。そこには変えようと思っても莫大なエネルギーが要りますし、大抵は変えられずに徒労に終わることでしょう。
認知行動療法では毎回、アセスメントシートという用紙が宿題に出され、ご自分にストレスのかかった出来事を少し分析的に書かなければなりません。それを書き進め、溜めていくにしたがって、徐々にかたくなに同じ反応をしていたものが、ある時、気づきを得て、少し変化し、結果として相手を変えることができ、関係が改善されたということが起こり得ます。
ご自分が変わらない限り、事態は堂々巡りです。
どのように変わったらいいのか決めるのも実行するのもご自分自身です。
話は変わりますが、あなたはご自分の長所と短所を、即座に5つずつ挙げることはできますか。
訊いてみると長所ばかり5つ挙げられても短所はひとつふたつの人もいれば、逆に短所だけ5つさっさと言えて、長所がよくわからないなんていう人もいます。むしろ、日本人は後者のタイプが多いように思います。
でも、長ずれば短所も長所と言えますし、その反対のこともあるのです。
例えば、頑固で優柔不断なところが短所と思っている人も長ずれば、慎重でまじめで一生懸命取り組む人と言えるでしょう。
納得できないことには行動が起こせないし、すぐ嫌気がさすのは短所と捉えることもできますが、納得すればとことん頑張れるという風に考えると長所ということになりますね。
そんな具合に、自分はこういう人間だからと開き直ったりせずに、短所も長所になるよう柔軟に考えてみたり、自分はもうこういう風にしかできないなどとかたくなにならず、別の見方もできるかもしれないと発想の転換をしてみてはいかがでしょう。
年と共に血管が固くなるように、心や思考も硬くならないよう、柔らかさとしなやかさを持ち続けられたらいいですね。
2023/11/08
アダルトチルドレンとはどういう人のことをいうのか~ご自分がACかもとおっしゃる方のために~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
最近はカウンセリングをご希望なさる前にご自分でいろいろ調べて、「私はアダルトチルドレンかもしれないんですが…」とか「アダルトチルドレンだと思うので、スキーム療法をしていただけますか」のようにおっしゃる方が増えてきました。
なので、本日はアダルトチルドレンについて、少しお話しいたします。
ご自身は長いことご自分の生きづらさや親御さんとの葛藤を抱えていて、ネット等で調べた結果、自分はAC(アダルトチルドレン)かもしれないと思われるようですが、確かにアダルトチルドレンと思われる方の生育歴には、親御さんや幼い頃の養育者との関係に問題があったと考えられます。
アダルトチルドレンとは、ご自分が安全な場所として機能しない家族の中で育ち、言葉による暴力や虐待、性被害などを受けたことが影響して、大人になっても様々な人間関係の問題や生きづらさを感じている人のことを指すと定義されています。
日本語に直訳すると「おとなこども」みたいになるので、何のことかわかりづらいですが、そのAC(アダルトチルドレン)の心の中にいる幼い頃の自分(インナーチャイルド)はその成育歴のせいで、大人になった今でも泣いていたり傷ついていて、決して癒されることなく空虚な気持ちやいつか大切な人に見捨てられるのではというような不安(見捨てられ不安)を抱えています。
日本ではアダルトチルドレンという言葉が、少し独り歩きしているようなところがあり、時折、雑誌やテレビの情報番組などで見聞きすることがあります。しかし、自分はそうかもしれないと思っても、実際、どうしたらそうでなくなれるのか、どこに行ったらインナーチャイルドを癒すことが出来るのか、全く分からないというのが現状だと思います。
「アダルト・チルドレン 癒しのワークブック」西尾和美著といったAC関連の書籍やワークブックなども出ていますが、なかなかひとりでワークブックを買って、癒されたいと思ってもうまくいかないのではないでしょうか。まずは誰かに自分の話を聴いてほしい、自分の辛さを分かってほしいと思うのが正直なところだと思いますので、それにはだれか信用できるカウンセラーや臨床心理士などに悩みを相談なさるのがいいかもしれませんね。
当カウンセリングルームは”認知行動療法”を主軸にカウンセリングを行っていますが、”空椅子の技法”を用いてインナーチャイルドに会いにいったり、”スキーマ療法”で成育歴まで遡ってご自分を見つめ直し、再出発するといったセッションも行っています。
空椅子の技法やスキーマ療法はカウンセラーとの信頼関係がとても重要ですので、いきなりは行いませんが、まずはじっくりあなたのお話を伺い、認知行動療法をやってみたいという方には認知行動療法のご説明をいたします。
とにかくひとりで抱え込んでいると、思考はマイナスに振れがちになりますので、少しの勇気を出してカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
ご興味のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
お待ちしております。
2023/10/31
「ピンチはチャンス」人生の転機にじっくりご自分のことを考えてみるというのはいかがですか?
こんばんは。煌々とした美しい満月に心が洗われるようですね。
横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
本日のテーマは「ピンチはチャンス」と捉えて、そんな時こそご自分を見つめ直してみようというお話です。
人生はいつも順風満帆というわけにはいきません。時には失敗したり、挫折したりすることもあるでしょう。
例えば「間違いなく合格すると思っていた試験に落ちてしまった」とか「結婚するとばかり思っていた相手と別れてしまった」とか「思いがけない重い病気が発覚した」「事故で大けがを負ってしまった」「仕事でトラブルがあって辞めざるを得なくなった」などなど…。
若くても、年を重ねてからでも、人生に紆余曲折はつきものです。
そんな時、あなたはどんな気持ちになりますか。
大方の方はとても落ち込み、自暴自棄になったり、何もかもが嫌になったり、自分はなんて運が悪いんだろうと嘆いたり、どん底に突き落とされたようだと感じる方もいらっしゃるでしょう。
でもそういう予期せぬ不幸な出来事に見舞われた時こそ、もしかしたら、自分の人生の方向転換をしたり、新しい道に踏み出す好機かもしれませんよ。
少し引いてみたり、後から振り返ってみると、そうした時にこそ、自分があるべき姿や進むべき道が、今までの自分の考え通りで正しいのか判断できると考えられるからです。
「ステージが変わる」といって人はいつまでも同じように暮らしたり、働いたりし続けるわけではありません。
環境や年齢、状況に合わせて、変化しながら生きています。
その変化すべき時と捉えることができれば、どんな形が今の自分に合っているのか、近未来のなりたい自分の姿はどんな形かなどが見えてくることでしょう。
「ピンチはチャンス」という言葉があります。
予期せぬ不幸な出来事は確かに人生のピンチですが、そこでネガティブな考えに捕われ過ぎず、「変わるチャンス到来」とポジティブに考えられる人こそ、悲しみや嘆きを克服できる人だと思いませんか。
現在、ご自分がマイナス思考のスパイラルに陥って、なかなか前を向くことができないとお感じなら、一度、何があったのか悩みを打ち明けにカウンセリングルームにいらっしゃいませんか。
カウンセラーはあなたに寄り添い、あなたがご自身で道を拓くお手伝いをいたします。
2023/10/25
スキーマ療法の狙い~自分の成育歴の中で身についてしまった困った価値観や考え方を手放す~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
爽やかないい季節になりましたね。皆さん、いかがお過ごしですか。
本日は「スキーマ療法とはどんな目的をもった心理療法か」というお話です。
当カウンセリングルームでは認知行動療法を主軸に、ご自分の考え方や感じ方のクセや歪みに気づいて、少しずつ変化させていくという心理療法を行っています。
しかし、その中でそのクセや歪みを手に入れてしまった大元が、幼い頃や思春期ぐらいまでの生活環境に起因していると思われる方に適用されるのがスキーマ療法と呼ばれる心理療法になります。
スキーマとは日本語でいうと価値観やこだわり、マイルールということになりますが、そうしたものはいったいいつ頃その人の身についたかというと、大体は幼少期から中学生ぐらいまでと言われています。
つまり、親御さんの子どもへの関わり方や、親の価値観の擦り込みなどが大いに関係しているのです。
もちろん小学校や中学時代の先生や友達からの影響などもなくはないのですが、まずは最も身近な存在である親御さんの言動は一番子どもの人格形成に関与していると言えるでしょう。
そうやって手に入れ身につけた価値観やその人なりのこだわりやマイ・ルールですが、通常は適応的といって人生を円滑に進めていくうえで役立つはずですが、時に少し困った価値観を手に入れてしまって、人間関係がうまくいかなかったり、人生そのものが辛かったりする場合があります。
それを不適応的スキーマと呼びますが、スキーマ療法ではその不適応的スキーマを洗い出し、最終的には手放して新しいスキーマを手に入れることを目指しています。
その間のセッションは生育歴のヒアリングに始まり、その方にとっては封印していた過去をほじくり出すような作業が続きますが、しっかりご自分と向き合い、乗り越えることで、最後には新しいスキーマを手に入れ「なりたい自分」への扉を開くことができるのです。
人が何十年か生きている間に染みついてしまったものの考え方やこだわりなどは、そんなに簡単に手放すことはできないと思われるでしょうが、何が今の自分を苦しめているのか、真摯に向き合う気持ちと強い意志があれば、誰でも新しい自分を見つけることができるでしょう。
そこに遅いということはないのです。
少しの勇気を出して、カウンセリングを受けにいらしてください。
お待ちしています。
2023/10/11
白黒思考の怖さ~あなたの考え方は白か黒かになっていませんか?~
こんばんは。横浜市港南区のカウンセリングルーム”キミィ・メンタル・サプリ”の萩原です。
急に季節が進み、朝晩は寒いぐらいになってきましたね。
さて、本日は「白黒思考」についてのお話です。
カウンセリングルームに相談にいらっしゃる方の中に、「この方は白黒思考の傾向が強いなぁ」と感じる方は数多くいらっしゃいます。
白黒思考とはものごとや人に対して、好きか嫌いか、いいか悪いかの極端なふたつしかなく、まあまあとかほどほどといった概念や感覚が乏しいことを指しています。
例えば、とても気に入って働いていた職場で、ささいなもめごとがあったり、苦手な人物が現れたりしたことで、全部が嫌になってしまい、もうこの職場にいくことすら嫌になってしまい辞めてしまうとか、今まで仲良くおつきあいしてきた友人に、ある時、気に障ることを言われたり、行き違いがあって仲たがいしたことがきっかけで絶縁状態にしてしまうといったことです。
世の中の出来事はだれかと折り合いをつけたり、相談しながらちょうどいい加減を模索しながら決めていくといったケースがほとんどですが、白黒思考の方は、そうした時に自分と違う意見や考えに遭遇すると、急に許せないとか裏切られたといった感情が沸き上がるようで、白だったものが急に反転して黒になってしまうようです。
その白と黒の間にはたくさんのグレーが存在するのに、そこに着地できない性格を白黒思考と呼びます。
グレーで手を打つことは妥協としか捉えられなければ「妥協だけはしたくない」「妥協したら私の負けだ」「私は決して悪くない」のように考えてしまいがちです。そういう方はちょうど良いところで折り合いをつけることに納得がいかないのです。
しかし、そのせいで、せっかく手に入っていたものを手放したり、うまくいっていた人間関係を失ったりすることになるとしたら、もったいないと思いませんか。
大切なものを失ってから慌てても、もう取り戻すことができないのです。
かたくなに「白が正しい。少しのグレーでも許せない」と突っぱねていないで、もう少し柔軟にものごとを捉えられるようになるといいですね。
認知行動療法はそうしたご自分では気づきにくい考え方やものごとの捉え方のクセをあぶり出し、少しものの見方を変化させていくという心理療法です。
「後悔先に立たず」ということわざもあるように、ご自分を変えるのに遅すぎるということはありません。
気づいた時にアクションを起こしてみませんか。
いつでもご相談に応じます。
当カウンセリングルームは上大岡駅から徒歩3分のところにあります。